組織球症に続発する中枢神経変性症の
診断・治療エビデンスの創出

研究活動について

組織球症に伴う中枢神経変性症の診療ガイド1緒言

本診療ガイドは「組織球症に伴う中枢神経変性症(Histiocytosis associated neurodegenerative disease: Histiocytosis-ND)」を対象としている。ランゲルハンス細胞組織球症(Langerhans cell histiocytosis: LCH)に合併した中枢神経変性症(LCH associated ND: LCH-ND)に関する報告が多いものの、LCH以外の組織球性腫瘍(non-LCH)に合併する中枢神経変性症の報告も散見されるため、全ての組織球性腫瘍に合併する中枢神経変性症(Histiocytosis-ND)を対象とした。

本診療ガイドは、Histiocytosis-NDの最新情報の普及と診療レベルの向上を目的として、15の項目を設定し、エキスパートの先生方に執筆頂いた。本疾患は極めて稀で、かつ病態が未解明な部分が多く、Narrative reviewを基本とするため、Embase、MEDLINE、Cochrane、医中誌から広く本疾患に関わる文献リストを作成し、診療ガイド作成の参考資料とした。15項目に引き続き、本疾患の治療に関しては、PICO形式のClinical Question(CQ)を設定し、Systematic Reviewを試みたが、最終的に十分なエビデンスが得られなかったため、CQを今後の研究が推奨される臨床疑問(Future research question [FQ])としてまとめることとした。

本診療参照ガイドが、組織球性腫瘍の診療に携わる多くの皆様の一助となれば幸いである。

なお、本診療参照ガイドは、日本医療研究開発機構難治性疾患実用化研究事業「組織球症に続発する中枢神経変性症の診断・治療エビデンスの創出(研究代表者:塩田曜子)」の支援を受けて作成した。

Histiocytosis -ND診療ガイド作成ワーキンググループ一同