組織球症に続発する中枢神経変性症の
診断・治療エビデンスの創出

研究活動について

組織球症に伴う中枢神経変性症の診療ガイド13診断アルゴリズム

LCHの既往が明らかである場合には、LCH-NDに特徴的な頭部MRI画像所見と神経症状の有無によって、「放射線学的LCH-ND(radiological LCH-ND: LCH-rND)と「神経学的LCH-ND(Clinical LCH-ND: LCH-cND)」に分類し、診断する(図1)。

図1:LCH-NDの分類

一方で、LCH-NDはLCH発症から10年以上経過してから発症することもあり、LCHの既往が不明で小脳性運動失調症状を契機として受診される患者さんも少なからず存在すると思われる。このような、原因が特定されていない小脳性運動失調症状を呈する患者さんからLCH-NDを診断するための、診断アルゴリズム案を図2に提示する。
この中で実施する、末梢血・髄液を用いたBRAFV600E変異解析、osteopontin(OPN)、IL-17はいずれも保険収載されておらず研究段階の検査であることに注意が必要である。

図2:原因不明の小脳性運動失調患者からLCH-NDを診断するためのアルゴリズム