組織球症に続発する中枢神経変性症の
診断・治療エビデンスの創出

研究活動について

組織球症に伴う中枢神経変性症の診療ガイド14予後

組織球症に続発する中枢神経変性症における症状発症時期と、進行速度や程度は症例によりさまざまである。多くの症例では、数年かけて小脳性運動失調症状や学習障害が明らかとなる。LCHは稀な疾患で、多彩な臨床症状を呈するため、複数の診療科を受診し、1年以上も診断に至らない場合がある。そのような症例では、LCHの診断確定時にすでに小脳性運動失調症状を認めることがある。

一方、頭部MRI画像では異常が明らかでも、ほとんど神経症状を認めないまま何年も経過する例がある。また、神経症状がほぼ固定したように進行しない症例もある。認知機能の障害の程度も症例によって差がある。進行例では、自力での外出や室内での移動が次第に困難な状態となる1)。リハビリテーションによる身体機能の維持・向上や環境調整が重要であり、周囲の理解に加え、学習や就労を含む日常生活全般への支援が求められる。

参考文献
  • McClain, K. L., Picarsic, J., Chakraborty, R., et al. CNS Langerhans cell histiocytosis: Common hematopoietic origin for LCH-associated neurodegeneration and mass lesions. Cancer 124: 2607-2620, 2018.