組織球症に続発する中枢神経変性症の
診断・治療エビデンスの創出

研究活動について

組織球症に伴う中枢神経変性症の診療ガイド15治療概要

本診療ガイド作成時点では、LCH-NDに対する治療は確立していない。近年は、LCH-NDに対して、他のLCH病変と同様に、化学療法やBRAF/MEK阻害剤を用いて治療を行った報告が増えてきている。そこで、これまでに報告されたLCH-NDに対する治療法の報告を網羅的にレビューすることで、現状と今後の課題について明らかにすることとした。
LCH-NDに対する治療は以下の3つに分類し、それぞれにClinical Question(CQ)を設定してシステマティックレビューを試みた。

  • 免疫グロブリン療法(intravenous immune globulin, IVIG)(保険未承認)
  • 抗がん剤などの化学療法(ビンブラスチンのみ保険承認)
  • BRAF/MEK阻害剤(BRAFV600E変異陽性の場合にダブラフェニブ/トラメチニブが保険承認)

結果は次の「16.臨床課題」で示すが、最終的に十分なエビデンスが得られなかったため、CQを今後の研究が推奨される臨床疑問(Future research question [FQ])としてまとめることとした。